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まるわかり! 

    立石再開発のこれまでと今。

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北口地区の現状

北口地区の今

北口地区は2017年6月に都市計画決定が行われました。

 

一方、再開発を支援するために巨額の税金をつぎ込む区庁舎移転計画に対し、区議会で与野党から異論が噴出したため、2020年9月の区議会定例会における冒頭の区長挨拶で、青木区長は「総合庁舎のあり方について改めて見直す必要がある」「現庁舎敷地の効果的・効率的な活用も含め新たな計画策定に向けて検討を進め」る、つまり全面的な再開発ビルへの移転は見直す方針であることを明言したのです。

にもかかわらず、2020年10月末、再開発組合設立への地権者同意2/3を超えたとして準備組合は東京都に対し、組合設立・事業認可を申請しました。葛飾区も、舌の根も乾かぬうちにこの認可申請を仲介しました。

地権者が同意したのは「3~13階に区庁舎予定」と明記された、いわば「偽の事業計画」です。

​残念ながら東京都は、2021年4月28日付でこの事業計画を了承し、再開発組合の設立を認可してしまいました。

区庁舎を持ってこないならば、その分の保留床はどうなるのか。区は年金事務所や税務所など複数の公益施設で穴埋めしようとしているようですが、目途は全く立っていません。

このままでは大量の保留床の売れ残りによる再開発事業費の不足を、地権者が「賦課金」という形で背負わされることになる恐れがあります。

仮に区庁舎の穴埋めに成功しても、再開発を無理に巨額の税金で買い支えるために、結局は無秩序な寄せ集めビルが出来上がってしまうのは目に見えています。

南口東地区の現状

南口東地区の今

南口東地区は2019年6月に都市計画決定が行われました。

このエリアの地権者は実際には居住していない人が多いため、今後は同意集めが比較的スムーズに進んでいくかと思われましたが、現在は一転、計画続行が危ぶまれる事態になっています。

発端はこのエリアに住む地権者の一人が、準備組合を相手取って、議事録やコンサルタント(佐藤総合計画)が作成した成果文書の開示を求める訴訟を起こしたことです。

2020年1月、東京地裁は原告の訴えの主要部分を認める判決を下しました。2月に入っても準備組合側は控訴できず、判決が確定。その直後、準備組合設立以来「事業協力者」として再開発を推進してきた清水建設が、「工事の受注は困難になった」と事実上の撤退を表明したのです。

巨額の税金が投じられながら「民間主体」の建前で行われる再開発事業は巨大なブラックボックスであり、多くの場合手続きや数字のごまかしが水面下で横行しています。デベロッパーやゼネコンの巨大な利益も、そこから生まれるのです。

しかし前述の判決が出たということは、今後この事業に関する同様の情報開示を拒否できない、透明性をもって行わなければならないということです。ゼネコン清水建設にとっては「旨味」がなくなった、それで撤退を決めたものと想像できます。

​清水建設は、準備組合に対し2億7400万円もの資金を立替えていました(2018年度決算時点)。準備組合にとっては建設会社だけでなく「金づる」を失ったことにもなり、今後の事業継続は予断を許さない状況です。

南口西地区の現状

南口西地区の今

南口西地区は反対派の地権者が多いこともあり、最も計画が遅れている地区です。

​都市計画決定のめども立っていません。

​清水建設は南口西地区でも事業協力者として内定していたため、南口東地区からの同社の撤退は、本地区の今後の計画進行にも影響を与えることは必至です。

連続立体交差事業(高架化)の経緯・現状

高架化事業の今

京成押上線の高架化計画は、当初は北口地区再開発による駅前交通広場とセットで進められていました。

住民同意の要件がない高架化だけが先に事業認可を受けましたが、北口地区では一向に再開発への同意が進まず、高架化の事業認可の期限が迫るなど差は開く一方に。

2015年、区は「高架化工事を再開発と切り離して、用地買収を始める」と地権者らに通告しました。それも「従わないと強制収用する」との「脅し」付きで。

この背景には、高架化による買収エリアと再開発エリアとにまたがって土地を所有している地権者の中に、反対派の有力者が多かったため、彼らを先に立ち退きに同意させることで反対派地権者を分断しようという思惑もありました。

2018年には仮線路用地の建物取り壊しに本格着工。呑んべ横丁も大きく削られることとなりました。実は仮線路を設けずに現在の敷地内で高架化する工法もあるのですが、あえて駅前という目立つ場所の取り壊しを始めることで「再開発進んでいる感」を出して、住民のあきらめムードを誘おうという魂胆でしょう。

2019年には用地買収も完了し、高架化工事は順調に進んでいるように見えます。しかし区は2022年度とされている完成予定から「おおむね5年程度遅れる」と言い出しました。

駅の高架化と駅前交通広場は、再開発の大義名分のひとつでもありました。しかし高架化が先に完了すれば、高架下や仮線路撤去後の空き地に交通広場ぐらい軽く作れてしまいます。

​区は「高架化と駅前交通広場」という大義名分を失うことを恐れて、北口再開発に合わせて工事の完成を遅らせているのです。

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