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現在、立石駅周辺では、京成押上線の連続立体交差事業(高架化工事)と、立石駅北口地区・南口東地区・南口西地区の3つの市街地再開発事業が計画されています。

 

このうち、すでに着工されている高架化工事に伴って北口側の線路沿いの一帯が取り壊されてしまったため、もう再開発が始まって後戻りできないのだと勘違いする人も少なくありません。

ただし実際には3つの再開発はまだ着工前であり、このうち南口の2地区に至っては正式に事業化すらされていません。

まだまだストップさせるチャンスはあるのです。

全てが壊される…立石再開発計画

再開発エリアMAP

立石駅周辺再開発エリアマップ

新・再開発&高架化MAP(店名あり).png

この枠線内が全て一度更地にされ、4棟の巨大ビルが立ち並ぶ...

北口地区

●北口地区

<西棟> 

地上36階・地下2階

最高高さ:127.4m

延べ床面積:約79200㎡

​用途:住宅(646戸)・商業・駐車場

<東棟>

地上13階・地下3階

高さ:76.5m

延べ床面積:約41472㎡

​用途:区庁舎・公益施設・商業・駐車場

立石北口パース図 最新.png

※計画諸元は2022年6月14日葛飾区議会総務委員会の時点でのもの。

北口地区再開発の総事業費は、当初示された246億円から膨張をつづけ、2020年の時点で約932億円にまで膨れ上がっています。

※ただしこの数字には現在の資材価格やエネルギー価格・人件費の高騰が反映されていないため、最終的には1000億円を大きく上回るのではないかとの見方も強くあります。

北口地区への補助金等は約382億円であり、再開発組合は、2棟のビル床の売却益で残りの約550億円を賄わなければなりません。

タワーマンションである西棟は、デベロッパー企業3社が買い取り、一般向けに販売します。

しかしその金額は284億円弱であり、事業費をまかなうにはまだ半分程足りません。

 

​この無理な計画を税金で穴埋めしようというのが、葛飾区庁舎建替え計画です。立石駅からほど近く、修繕すればあと20年は使えると区も認めている現在の区庁舎を取り壊して、北口地区再開発ビルの東棟をほぼ丸ごと区が買い上げ、そこに区役所を移転しようというのです。

区によるビル床の購入額は266億円に上ります。

そう、お気づきの通り、区はデベロッパーに比べて6割も割増された価格で、ビル床を購入するのです。

 

​これにより北口地区再開発は、932億円の事業費のうち7割の648億円が税金によって賄われるという、「ほぼ公共事業」というべきものになりました。

●南口東地区

南口東地区
南口東地区パース図.png

<A敷地> 

地上34階・地下1階

高さ:約125m

延べ床面積:約53200㎡

​用途:住宅(約450戸)・商業・業務・公益施設・駐車場 等

<B敷地>

地上3階・地下1階

高さ:約16m

延べ床面積:約1500㎡

​用途:商業・公益施設・駐車場 等

※計画諸元は2019年5月21日の都市計画審議会に示された準備組合資料による。

南口東地区の総事業費はまだ判明していませんが、南口西地区と同程度の500億円前後とみられます。通例に照らせば、補助金等の額は150~200億円ほどとなるでしょう。

 

これとは別に、区が再開発ビルの床を購入して整備する公益施設もあります。現状では、現在駅前にある立石地区センターと、立石3丁目にある立石地区センター別館勤労福祉会館との機能を統合して、再開発ビルに入れるという案が有力なようです。これも規模によっては、北口の区庁舎のようなとんでもない「税金による穴埋め」となる懸念があります。

南口駅前広場のイメージ(南口西地区のパース図はまだ示されていない)

南口西地区

●南口西地区

地上35階・地下1階

高さ:約125m

延べ床面積:約97930㎡

​用途:住宅(約700戸)・商業・公益施設・駐車場 等

南口駅前イメージ図.png

南口西地区の総事業費は、現時点で534億円、うち補助金等により賄われる額は188億円とされています。ただし採算が厳しければ、区が何らかの名目でビル床を買って補填する可能性があります。

実際の例として、同じ葛飾区内の金町六丁目駅前地区再開発では、再開発ビルの商業床の大部分に買い手がつかなかったため、区がワンフロア買い上げて「用途は後から考える」という錯乱した事態も起きました。

ちなみに、東京都の環境影響評価(アセスメント)制度では、高さ100m超かつ延べ床面積10万㎡超の高層建築物を建てる際に、環境への影響を調査しなければならないと定めています。

南口西地区のタワーマンションは明らかにこの規制を意識した、ギリギリの床面積で計画されています。

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