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葛飾区庁舎移
転計画
Q&A

立石北口パース図 最新.png

立石駅北口では、商店街を取り壊して127mと77mの2棟の超高層

ビルを建設する、再開発計画が進んでいます。

このビルの片方はタワーマンションに、片方は区が巨額の税金で買い取って、区庁舎を移転させる計画です。

Q.区役所の建替え、結局いくらかかるの?

A.700億円以上です。

 

区の広報には「247.2億円」と書かれていますが、これ区庁舎移転費用のごく一部を取り出して、それがさも全体の費用であるかのように装ったものです。

総合庁舎(区役所)の移転に必要な税金支出は、大きく分けて2種類あります。

 ➀区庁舎移転の前提となる立石駅北口再開発事業に対して支払うお金。

 ➁区庁舎の移転事業に直接支出するお金。

➀は主に再開発への補助金など、➁は移転に必要な諸経費や、現庁舎の解体費、継続使用する現庁舎新館の改修費などです。

​➀➁両方に含まれるのが、区庁舎の移転先である再開発ビルの床を、葛飾区が購入する費用です。

そして、葛飾区はこの費用のみを「新庁舎の整備費用」と謳っているのです。

Q.結局いくらかかるの?
区庁舎移転経費 新模式図.png
Q.区役所が老朽化?

Q.今の区役所は老朽化して建替えなきゃいけないってホント?

A.現庁舎は、50億円程度の保全工事を施せば、本館・議会棟はあと21年、新館はあと37年使えると、区が認めています。

また、いずれの庁舎も新耐震基準のもとで耐震補強工事が施されており、耐震性能を表す「Is値」は本館・議会棟が0.72、新館が0.77。

これは震度6~7程度の大地震を受けても「倒壊する可能性が低い」とされるIs値0.6を大幅に上回り、新館に至っては「大地震動後、大きな補修をすることなく建築物を使用できる」とされるIs値0.75をも上回っています。

急いで建替える必要はありません。

Q.でも区役所は防災拠点として重要なのでは?

A.緊急時に区民が避難するのは区役所ではなく地元の小・中学校です。

現在、73校ある区立小・中学校のうち、区庁舎本館より

古い学校が10校、本館よりIs値が低い学校は19校もあります。

体育館が地下や1階にあり、大規模浸水時の避難場所として

使えない学校は45校。

そして体育館が2階以上にある28校のうち25校は、

エレベーターがついておらず、身体の不自由な方が避難できま

せん。

​まずはこうした地域の防災拠点の整備こそ、急務です。

古い小中学校.png
小中学校体育館.png
Q.防災拠点として重要?

このように、区庁舎移転のために使われる税金の総額(赤枠内の合計)は、

なんと755.6億円にもなります。

しかも、この金額はまだまだ増える可能性があります(というか増えます)。

左側の模式図に書かれた金額(=再開発の事業費)のうち、最新の物価が反映されているのは上から3段目の「葛飾区による床購入費」のみです。それ以外は2020年秋時点での金額です。

現在、ウクライナ情勢や急速な円安を受けて再開発の工事費は膨らんでいます。工事費が増えれば、採算を取るために、売却する床の価格を上げることになります。また、工事費に対して決まった割合で支払われる補助金の金額も増えます。

一部区議会議員の中には、区庁舎移転にかかる本当の費用は2000億円近い

のではないかとの見方もあるのです。

Q.じゃあなんで区役所を建替えようとしてるの?

A.民間事業である立石駅北口地区再開発を救済するためです。

この再開発事業では2棟の超高層ビルを建設し、その床の売却益で、建設費用をまかなう仕組みです。

​当然、ビル床に買い手がつかなければ事業は成り立ちません。

再開発ビルの西棟の床は、デベロッパーと呼ばれる民間の不動産開発企業が1坪当たりおよそ139万円で買い取り、マンションとして分譲して利益を得ます。

​東棟の床は葛飾区が、1坪当たりおよそ1.6倍となる223万円で買い取ります。

この異常な価格差は、再開発の足りない資金を税金で埋め合わせようとしている証拠に他なりません。

Q.なんで今建替え?

Q.公正に色々な案を比較して、駅前に決めたんじゃないの?

A.完全に再開発ありきの出来レースです。

立石駅北口地区再開発の地権者らでつくる準備組合は、そもそも区の呼びかけで発足し、区の助言に従って活動してきました。

その中で2009年ごろに区に対し、区庁舎を再開発ビルに移転することを要請。

区は2010年に「葛飾区総合庁舎整備のあり方検討委員会」を開いて有識者に移転候補地を議論させますが、その数か月前にすでに区は、25か所の候補地の中で

現庁舎敷地 立石駅北口再開発ビル

を「有力な候補地」とする報告書を作成していました。「あり方検討委員会」は、この区の方針を追認するだけの、お飾りの会議にすぎませんでした。

ちなみにコストの比較では、現庁舎敷地・青戸平和公園に比べて再開発ビルは数十億円高くなります。

また、区は行政サービスのIT化を進めるうえで「区民が来庁しなくて済むようなサービスの在り方」を目指すとしており、駅前に豪華な新庁舎を建てることと矛盾します。

区庁舎 整備費用の比較.png
Q.駅前以外の候補地は?

Q.このまま移転を進めたらどうなるの?

A.新たな区役所は葛飾区の自前のビルではありません。

他の地権者との「区分所有権」ですので、独自の判断で修繕や建替えを行うこともできません。再開発ビルで、権利関係が複雑化して修繕もままならなくなり、スラム化するという話はよく聞かれます。

また、高額な維持・管理費や修繕積立金を毎年払わなければなりません。

区は現時点で年間3.9~4.5億円と試算していますが、これは修繕積立金が維持管理費のわずか12分の1と、不自然に安く見積もられた中での試算です。

貴重な文化である立石の商店街を壊し、

まだ20年使える現庁舎も壊して、

266億円かけて駅前に購入する新たな区庁舎。

どんなに立派に作っても、使えるのはせいぜい50年前後。

半世紀後、

誤ったハコモノ行政の「負の遺産」として、

無残な姿をさらけ出しているのではないでしょうか?

Q.新庁舎は将来どうなる?
まとめ:新庁舎は負の遺産に
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